岡山県瀬戸内市にて2019年5月9日から2019年12月31日まで、長島愛生園と邑久光明園に残る歴史的記録物のユネスコ世界の記憶(世界記憶遺産)登録を目指した事業へのふるさと納税募集(目標額300万円)を実施いただきましたところ、全国107名の皆様から3,365,338円ものご支援をいただきました。心からお礼申し上げます。
2021(令和3)年度、お寄せいただいた3,365,338円から返礼品経費等を除いた3,120,000円にNPO財源1,918円を加えた3,121,918円を事業総額とし、皆様方からお寄せいただいたお気持ち「未来につなげたい、大切な記憶」を常に意識にしながら以下の事業を実施しました。
ご寄附いただいた107名の皆様には事業完了後に事業実施報告書を作成し、お手元に郵送しました。
【国立療養所長島愛生園】
歴史的記録物(文書資料)の脱酸性化処理(1,750,498円)
- 2021年6月 処理に最も効果的な文書資料の選定を行いました。専門業者様による実物の調査を経て専用工場へ搬出して処理できるよう打ち合わせを重ねました。
・2021年7月 専門業者様による実物調査を処理候補資料の収蔵場所である愛生園歴史館収蔵庫、神谷書庫、「愛生」誌編集部で行いました。史資料の材質、綴じ方、劣化具合と程度、修復の必要性とその具体的な方法を事前に提出したリストをもとに一点一点確認しました。
長島愛生園歴史館(旧事務本館)
神谷書庫
「愛生」誌編集部
・2021年9月 愛生園入所者自治会、歴史館学芸員、愛生編集部担当者と協議を重ね、脱酸性化処理の対象とする文書資料251点を決定しました。内、131点は処理を行う上で必要な修復も実施することとしました。
数万点に及ぶ膨大な資料の中から、以下を基準として決定しました。
1.脱酸性化処理にて大きな成果が期待できる1980年以前の酸性紙で作成された文書資料
2.第二次世界大戦前に作成された文書資料
3.脱酸性化処理を実施するにあたり、修復も施すことでより長期に渡る保存が見込める文書資料
4.特定の分野に偏らず、長島愛生園と入所者の歴史・文化・生活が幅広く記録されている文書資料
5.処理後に展示・公開が可能な文書資料
・2021年9月
処理対象の文書資料251点を梱包し、専門工場へ発送しました。
- 2022年1月 処理済史資料251点を受領しました。
- 2022年2月 処理済史資料を一点一点確認しながら撮影し、最適な保存環境が確保できる(仮)収蔵庫で保管しました。
【国立療養所邑久光明園】
証言映像24本(合計約1時間30分)への英語字幕の挿入及び社会交流会館閲覧用PCへの実装(1,342,000円)
- 2021年5月 証言映像24本の文字起こしを行い、英語への翻訳作業用に校正しました。
- 2021年10月 ネイティブ翻訳家による英語翻訳が完成しました。
- 2022年1月 英語翻訳を映像に挿入しました。
- 2022年3月 英語翻訳が挿入された証言映像24本を社会交流会館PCに実装し、タッチパネルの仕様を変更しました。
【事業実施報告書】
- 2022年3月 事業実施報告書を作成し、ご寄附いただいた107名の皆様へ郵送しました。(29,420円)